《俺様的》彼女の手なずけ方
ジッと見つめられ、自分でもよくわからなかった気持ちを話してみることにした。



「気に……なります」



「そうなのね!やっぱり!!」



学園長は嬉しそうにしているけど、あたしは笑顔になることなんてできない。



「気にはなるけど、自分の中で歯止めがかかってるっていうか。婚約者がいるような人を、好きになってもいいのかな……って。

あとは強引に押されすぎて、ただ流されそうになってるだけなのかなって」


言いにくい気持ちをボソボソと話す。


聞こえにくいような小さな声だったのに、学園長はしっかり聞きとってくれていた。









「本人がそれでいいって言ってるんだから、いいのよ」



「ナルがいいって言っても、ナルのお父さんは大きな会社の社長さんだし、あたしとは境遇が違い過ぎる……」



「そんなの、大丈夫よ。逆境に耐えてこそ、愛は燃えるの」



学園長は両手を握りしめて、ウルウルしている。



「その前にあたしたちの間には、種火さえつかない気もするんですけど……」



「なにを言うの!?篠原さん、あなたそれでも女の子なの!?」



学園長はあたしの側まで走ってきて、ガシッと手を掴んできた。



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