《俺様的》彼女の手なずけ方
「やっぱり女の子なのね。恋をするって、素敵なことだから。

相手のことを考えてドキドキしたり、また会いたくなったり。ひとり占めしたいって思ったり」



ひっ……ひとり占め!?



ないっ!



ない、ない、ないーっ!!



ブンブンと顔を横に振るけど、あたしを見てなんだかニヤニヤとしている。



「ごっ、誤解です!あたしはナルのことなんてっ!!」



「誤魔化さなくてもいいのよ。気になるってことは、少し進展してることだもの。

とりあえず、あなたの転校は保留にします。どうしても転校したいって思ったとき……また、私のところに来なさい。

もうとっくにベルが鳴ったわ。1時間目は遅刻だから、2時間目までここにいていいわよ」



そういえば、かなり前にベルが鳴ったような気がする。



そんなことすら気づかないぐらい、話に集中していたみたい。







学園長に促され、窓際に置いてあるソファに座った。



用事があるからと席を外した学園長を見送ったあと、あたしはボーッと窓の外を眺める。



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