《俺様的》彼女の手なずけ方
おばちゃんに迷惑をかけたくないから、転校しようと一度は思ったことも。



そして、ナルとのことも…素直に話してみた。



昨日一緒に過ごしたこと。



もう、話さないかもしれないこと。



そして、学園長に言われたことも。



最初の方は相槌を打ちながら、話を聞いてくれていた天音ちゃんは、



そのうち……俯いてなにも話さなくなってしまった。









しまった。



やっぱり、ナルとのことを正直に話しすぎた!?



ナル様大好き!の天音ちゃんに、あまりにも無遠慮だったかもしれない。



それに虫が入ってたなんて気持ち悪いし、聞きたくなかったよね。



正直、突然こんなことを相談されても困るよね。



「天音ちゃん、あたしの話ばっかり押し付けてゴメンね。

聞いてくれてありがとう……気持ちが軽くなった。でも、天音ちゃんを傷付けたなら……」



そう言ったとたん、天音ちゃんが顔を上げた。



そんな天音ちゃんは顔中を涙で濡らして、声を押し殺して泣きじゃくっていた。



「わたくし……葵ちゃんの親友、失格です。ひっく……そっ、そんなにツラい思いをしていたのに……まっ、全く気がつきませんでした」



「天音ちゃん……泣かないでよ。あたしがちゃんと話さなかったから、悪いんだよ」



「ううん……そうじゃないんです。葵ちゃんが時計の濡れ衣を着せられたときも、早く気付けばよかった。

それなのに、葵ちゃんは強いから大丈夫だって……そう、勝手に思っていました……」


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