《俺様的》彼女の手なずけ方
え…。




絶句してしまった。




まさか、この人があたしの相手なの?




「初めまして、紺野仁です」




車から降り立ったのは、凡人とは明らかに違う特別なオーラを発した男の人。




「うっ…ウソ…!まさか、本物!?」




清香さんが腰を抜かしている。




それもそのはず、今あたしの目の前にいるのは…今をときめくアイドルグループ、ストームの仁だ。




「仁は僕の知り合いなんだ。今日のために、特別に休暇を取ってくれたんだよ」




「サギくん…どうして?あたし、なにも言ってないのに」




どうしてあたしがここに来ることを、知ってたんだろう。




「噂を小耳に挟んでね。仁なら、清香さんも文句は言えないよね」




悔しそうな清香さんを前に、サギくんが微笑をもらす。




「正式なパーティなのよ?恋人か婚約者を連れてきなさいよ。でなければ、父親か…」




< 591 / 711 >

この作品をシェア

pagetop