《俺様的》彼女の手なずけ方
清香さんの顔は真っ赤だ。




怒っているのか、仁に興奮しているのか…その区別さえつかない。




「お手をどうぞ」




仁が片手を差し出し、あたしをエスコートする。




ドキドキする。




こんな贅沢…ホントにいいのかな。




「お先に失礼するわ」




プイと顔を背け、先に会場へと入っていく清香さんを見送る。




「ハハハ、あの顔。仁のファンらしいじゃん、してやったり~」




サギくんがお腹を抱えて笑っている。




「清香さん、仁のファンなの?」




「どうもそうらしい。仁が側にいる限り、清香さんも下手に手は出せないはず。実はさ、京子さんから聞いたんだ」




京子さんに?




ってことは、これが京子さんの奥の手ってこと?




「ありがとう…助かった。だけど、サギくん…せっかくなんだけど、あたし天音ちゃんと約束してるの。このチケットで天音ちゃんと入る予定で…」




仁には申し訳ないけど、天音ちゃんほどナルのパーティを見たい人はいないはずだから。




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