《俺様的》彼女の手なずけ方
「無駄話はこのぐらいにして。急ごう」




仁に連れられ、受付をすませて会場へと足を踏み入れる。





時間よりかなり早いけれど、バンケットの中は大勢の人でにぎわっていた。





みんな早くから来てるんだね…。





ギリギリにならなくて、よかった。




煌びやかなシャンデリアに、華美な人たち。




部屋の端には料理台の上に、ブッフェスタイルのトレーがたくさん並べられている。




ウェイターが料理やドリンクを会場へ、次々と運びこんでいる。




婚約パーティ…。




盛大過ぎて、なにをしに来たのかすら忘れてしまいそうなほど。




あたしがいるのを見てナルが戸惑うかもと思ったけれど、こんな人の多さではナルがあたしに気づくことの方が奇跡。




学園の中で目立っていたとしても、場所を変えればあたしなんてちっぽけな存在だ…。




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