《俺様的》彼女の手なずけ方
ここに集まったのは、正真正銘の紳士淑女。




思い知らされる…あたしが場違いなことを。




「もっと自信を持って」




なにかを察したのか、仁があたしの背中を軽く叩いた。




会場では素性がバレないようにと思ったのか、さっきからサングラスをかけている。




それでも否応なしに、凡人ではないオーラがでている。




こんなスーパースターに気を遣わせてしまうなんて、ダメだよね?




「大丈夫です…ちょっと、お手洗いに行ってきますね」




トイレに立つフリをし、その場を去った。




通路に出ると、そこでもたくさんの人たちが談笑していた。




経済やビジネスの会話が飛び交う中、逃げるようにして通路の端へ向かう。




なんの話をしてるのか、さっぱりわからない。




ホント場違いだ…。




居場所がない…。




早く始まればいいのにとさえ思ってしまう。




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