《俺様的》彼女の手なずけ方
「っ……」




あたしに声をかけておきながら、気づいていなかったようで。




振り向き目が合ったとき、目の前の人物は絶句していた…。





「なんでお前…ここにいる」




まさか、こんなところで会うなんて。




非常口の陰から出てきたのは、ナルだった…。




「つか、その格好…なんのつもりだ?」




「それは、色々あって…」




「俺の醜態を笑いにきた?お前ってヤツは、最後まで俺を追い詰めるんだな」




自嘲気味に言うから、慌てて付け加えた。




「違う。あたしは、清香さんに言われて来たの」




「清香が?」




ナルの顔が一気に険しくなった。




「ナルのことをなんとも思ってないなら…出席できるはずだって。この目に、あたしとは違う世界の人間だってことを…焼き付けろってね」




「あいつ…」




チッと、軽く舌打ちが聞こえる。



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