《俺様的》彼女の手なずけ方
「このお嬢さんを中へお連れしろ」



この場に残っている黒いスーツの男たちが、あたしを取り囲む。



そのうちのひとりがあたしの腕を掴むと、ナルがその手を払った。



「気安く触るな、これは俺の女だ」



嫉妬心剥き出しにしてますけど、今ってそういうシチュエーションじゃない気がする。



「ハッハッハ、ならば鳴海がエスコートしなさい」



「俺とお前のこと…認めてくれるみたいだ」



あたしの前に立ち、嬉しそうに笑うナル。



まさかこんな展開に?



そんな…信じられないよ。



「ナル…本当に大丈夫なの?」



「俺を信じてついてこい」



…不安しか、ない。



なんて言えないよねぇ。



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