《俺様的》彼女の手なずけ方
「今は同グループだから、俺とお前が付き合っても本郷さんには、なんのメリットもない」



「…てことは?」



「他の相手を、用意してくるだろうな」



あたしを使って、再び同じ過ちを犯すの!?



わかってはいたけど、本当にそういう人なんだ…。



「でっ、でも。あたしみたいな山猿、相手も嫌がるよ…ナルぐらいじゃない?こんな物好きは」



「こんな上玉他にいないだろ?俺が見初めた女だぜ」



はっ、恥ずかし気もなくよく言うよね。



「照れんなよ」



伸ばしてきた手で、頬を優しく包まれる。



「ひゃっ…」



「もう…限界。やっぱ、ここで襲う」



「ええぇーっ!!やめっ、やめっ、やめて!」



「噛みすぎて、なんも伝わらねーな」



体を寄せてきたナルの、暖かい腕に包まれる。



その顔はイジワルで、なおかつ無敵の笑みだ。



あたしは、この笑顔に逆らえない。



至近距離で見つめ合えば、思考が完全に止まる。



一生を共にすると誓ったこの相手と、あたしは…。



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