《俺様的》彼女の手なずけ方
「フッ、そんなに嫌か?」



キスされる…と思ったら、ナルが切ない瞳をあたしに向けている。



ドキドキはしたけど、そこまで嫌がる素振りは…した、よね。



ここは素直になった方がいい?



どうにもこの男は、強引過ぎる行動とは反対に、繊細な一面を持っているから。



「いっ…嫌じゃ、ない…」



「だったらどうして、目が潤んでる?」



これはっ、緊張で自然とそうなったみたい。



言われるまで、気づかなかった。



指で軽く涙を拭い、ナルを見つめ返す。



「嬉しくて…」



そう言ったら、ギューっと抱きしめられた。



「なんだよ…俺も泣きそうになる」



「ナルが!?」



「どうやっても、手に入らなかったお前の気持ちを、やっと手に入れられたんだよな?」



コクリと頷くと、体を離して頭を撫でられる。




「今日から、俺の部屋に住めよ」



「どうしてそうなるの!?」



「自然と、そういう流れになるよな」



「けど、あたしたち逃亡中だし…ナルの部屋だと、すぐにバレるんじゃ」



「大丈夫だろ?」



まったく、この俺様は…どこまでマイペースなのか。



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