《俺様的》彼女の手なずけ方
「やっ…ちょっと、それは」



「今さら止めるとか、無理」



割れ目から舌がするりと侵入してきた。



拒否するけど、全然ダメ。



さっきまで優しかったのに、今や完全に盛ったオス。



舌を絡め取られ、あたしの脳内が麻痺してきた。



やめてと言っていたのに、今やそのキスに溺れそうになっている。



ギュッとしがみつくと、やっとのことで解放された。



「人がいるから集中できねーな」



チッと舌打ちしてますけど、さっきまでかなり自分たちの世界に入ってたよ!?



「もっ、申し訳ございません!!何も見聞きしておりませんのでっ」



すかさずタクシーの運転手さんが弁解をしている。



ほんっと、こっちが謝らなきゃいけないぐらいなのに。



こんな公衆の面前で、迷惑だよねぇ。



「俺の声、しっかり聞こえてんじゃねーか」



そうボヤくナルを見て、笑ってしまう。



「なにが、おかしい?」



「見られて困るなら、こんなところでしなきゃいいのに」



「我慢できなかったら、仕方ねーだろ」



「そんなこと言って…」



「あ、またしたくなった。おい運転手、耳ふさげ。葵が声出すかもしんねーから」



はっ、はいーっ!?



「バッ…バカじゃないの!?出しませんーって、あんたなにしようとしてるの!?」



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