《俺様的》彼女の手なずけ方
「さっきより、もっと甘いキス。俺から、もう離れられなくしてやるから」



もう、十分好きなのに。



そんなこと、言ってやらないけどね。



あたしを愛おしそうに見つめ、再びキスを落とす。



激しくされるのかと思ったら、そうじゃなかった。



触れるだけのキスが、心地良い。



首筋に手をあてがわれ、優しく髪を梳かれる。



そして、ゆっくりと離れるナルの体。



「続きは、帰ってからだな」



つっ、続きがあるの!?



「遠慮しておきます~」



「なに言ってんだよ、恋人同士ってのはな徐々に段階を踏むものだろ。キスの次は…って、ステップアップしていかねーと」



「それって、ゆっくりと時間をかけて…ってことだよね!?」



気持ちを打ち明け合ってすぐ、って早すぎじゃない?



「そうなのか?いずれするなら、いつでも同じだろ」



「違うよっ、全然っ、違う!!ナルと、もっと会話したり、デートしたり…そういうことを、楽しみたいな」



事が性急すぎて恐ろしい。



「お前、珍しいやつだな」



どっちがよ!!



ほんっと、この男は~。



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