《俺様的》彼女の手なずけ方
どうしてここに…?
今、ナルと一緒にいるはずの清香さんが目の前にいる。
これはマンションのエントランスだから、ドアの前にいるわけではないけど、恐ろしくてたまらない。
逃げ場がない。
清香さんのことだから、なんとしてでもここへやってくるはず。
「早く出て。ナルのことを考えるなら、そうするのが懸命よ」
っ…ナルをダシにあたしを動かそうと?
そんな手には乗らない。
急いでナルに連絡を入れる。
《清香さんがこっちに来た。部屋に入れちゃダメだよね?》
やっぱり既読はつかない。
電話にも出ないし、もうっなにしてるの?
もう一度インターホンが鳴った。
《篠原さん、すぐにここを開けて。これまでのあなたへの態度を改めます。今日はあなたに大切な話があって来たの。そのことについて話しに来ただけよ》
いつもとは違う、穏やかな顔。
これが演技だとしたら?
今までされたことを思うと、今さらって気もする。
《お願いします、ここを開けてください…》
まさか清香さんが、殴りかかってくることもないだろうし…ここまで言うなら開けるしかないのかな。
結局、あたしはロックを解除した。
「ありがとう。最上階までのエレベーターのロック解除もお願いするわね」
どうやればいいのかわからないけど、インターホンの説明を見ながらなんとかやってみる。
しばらくするとカメラが切り替わり、エレベーターの中を写した。
清香さんがひとりでエレベーターに乗っている。
エレベーターの扉の開くと共に玄関をドアも開いた。
清香さんがあたしの目の前に現れた。
「篠原さん、私の話を聞き入れて下さってありがとう」
今まで見たこともないような低姿勢で、清香さんが頭を下げる。
「何の用ですか?」
「あら、今日はケンカをしにきたわけではないのよ?こちらに座ってもよろしくて」
リビングのソファに腰掛けると、フゥとひとつため息をついている。
「ナルは…清香さんと一緒にいるようなことを言ってるんですけど」
「さっきまでは、ね。今は私の者と一緒よ。あなたとこれからここで一緒に暮らす…と」
「…………」
「昨日は酷かったわね。あんな最悪なパーティ初めてだわ」
今、ナルと一緒にいるはずの清香さんが目の前にいる。
これはマンションのエントランスだから、ドアの前にいるわけではないけど、恐ろしくてたまらない。
逃げ場がない。
清香さんのことだから、なんとしてでもここへやってくるはず。
「早く出て。ナルのことを考えるなら、そうするのが懸命よ」
っ…ナルをダシにあたしを動かそうと?
そんな手には乗らない。
急いでナルに連絡を入れる。
《清香さんがこっちに来た。部屋に入れちゃダメだよね?》
やっぱり既読はつかない。
電話にも出ないし、もうっなにしてるの?
もう一度インターホンが鳴った。
《篠原さん、すぐにここを開けて。これまでのあなたへの態度を改めます。今日はあなたに大切な話があって来たの。そのことについて話しに来ただけよ》
いつもとは違う、穏やかな顔。
これが演技だとしたら?
今までされたことを思うと、今さらって気もする。
《お願いします、ここを開けてください…》
まさか清香さんが、殴りかかってくることもないだろうし…ここまで言うなら開けるしかないのかな。
結局、あたしはロックを解除した。
「ありがとう。最上階までのエレベーターのロック解除もお願いするわね」
どうやればいいのかわからないけど、インターホンの説明を見ながらなんとかやってみる。
しばらくするとカメラが切り替わり、エレベーターの中を写した。
清香さんがひとりでエレベーターに乗っている。
エレベーターの扉の開くと共に玄関をドアも開いた。
清香さんがあたしの目の前に現れた。
「篠原さん、私の話を聞き入れて下さってありがとう」
今まで見たこともないような低姿勢で、清香さんが頭を下げる。
「何の用ですか?」
「あら、今日はケンカをしにきたわけではないのよ?こちらに座ってもよろしくて」
リビングのソファに腰掛けると、フゥとひとつため息をついている。
「ナルは…清香さんと一緒にいるようなことを言ってるんですけど」
「さっきまでは、ね。今は私の者と一緒よ。あなたとこれからここで一緒に暮らす…と」
「…………」
「昨日は酷かったわね。あんな最悪なパーティ初めてだわ」