《俺様的》彼女の手なずけ方
やっぱり、和解する気ないよね!?



「あら、失礼。そのことよ…ナルがとんでもない行動にでたけれど、まだ撤回の余地はある。後継者の権利を破棄するといっても、ナルにしかあの家は継げないの」



「それは…」



「ナルには弟がいるわ。だけどとてもじゃないけど、それほどの器はない。きっとすぐに潰してしまうでしょうね」



「そんなこと、あたしたちには関係ないです」



そう言うと、盛大なため息をつかれた。



「正確には、あなたには…でしょ。ナルが三好グループから欠けることは日本経済、いいえ世界情勢をも大きく揺るがすことになるの。わかってる?彼の背負うものはグローバルなのよ」



「もし、そうだとしても…ナルが自分で決めたことだから」



「わかってないわね。あの男が自分の身ひとつで生きていけると思ってる?高飛車で強引で、あんなのどこも雇ってくれやしないわよ」



…言われてみれば、そうかもしれない。



黙っていると、清香さんは続ける。



「三好の家を捨てるなら、セレブ学園も追い出されることになる。これからナルはどうなるの?」



「それは…」



先のことが、全く見えてなかった。



完全に、自分立ちだけで舞い上がっていたと思い知らされる。



< 644 / 711 >

この作品をシェア

pagetop