《俺様的》彼女の手なずけ方
「お前…わかってるよな。俺に黙って勝手なことしやがって」



手をバキバキと鳴らしながら、近付いてくるのは…。



紛れもなく、あの出会ったときと同じ顔つきをしている…冷血な独裁者、三好鳴海だ。



「な…ナル!?」



「電話も通じない、部屋は勝手に引き払ってる。フざけてんのか?」



「それは…心配かけちゃ、いけないから…」



「コイツが葵をたぶらかしたんだろ?こっち来いよ、かわいがってやるから」



そういいながら、お父さんを指さしてる。



「ひいいーっ!」



「って、それあたしのお父さんだから!ナル、やめなさいよ」



「お前の父親だとしても、俺らの仲を裂こうとするヤツはぶちのめす」



本気だよ…。



相変わらず、バカなところは治ってないんだね。



「あたしが勝手に戻ったの。寂しかったから…家族の元で暮らそうって思ったの。お父さんたちは、なにも悪くないの」



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