《俺様的》彼女の手なずけ方
「入りなさい」



厳かな声が聞こえ、ピリッとした空気に包まれる。



やっぱり…苦手だな。



学園長…厳しいし、目つきも怖いし。



身震いしながら思い切って学長室へと足を踏み入れる。



「篠原さん、セナを手なずけたらしいじゃない。なかなかやるわね」



部屋の中では、珍しく笑顔の学園長がいた。



ホッ…。



後ろ手にドアを閉め、サッと学園長の前へ進みでる。



「とんでもないです。立派なお坊っちゃまで…」



「あなた、ウソが下手なのよね。顔がひきつってるわ」



「わああっ、バレましたか!もう、正直大変でした。何度投げようと思ったか」



「フフフそうよね。でも、手のかかる子ほど、かわいいでしょ?」



どうでしょう。



それは、学園長が指示を出すだけの立場だからかもね。



甥っ子だっていうし、中学生なら素行が多少悪くても、やっぱりかわいいものなの?



「セナのことは、引き続きお願いするわね」



「わかりました…」



もう、3年が経っているのに…一向にナルに会わせてもらえる気配がない。



もうこのまま、学園の関係者として…あたしはここに、骨を埋めることになるのでしょうか。



あぁ、恐ろしや。



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