空色縞瑪瑙
空がお見舞いにくることは珍しかった。
私がお見舞いが嫌いなことを知っているからだ。
大丈夫?とか、早く元気になってね!とか、そんな言葉ははっきりいってめんどくさい。
本当はそんなこと、これっぽっちも思っていないくせに、なんて私はひねくれていた。
それを知っていた空が、私の病室に顔を出した。
「ひなた。」
「空じゃない。いらっしゃい。」
「うん。あ、ひなた、雑誌持ってきたよ。」
「ほんとに?ありがとう。」
空が来ることは、なんでか嫌じゃなかった。
空は絶対に、上辺だけの言葉は言わないし、私が変に心配されるのが嫌だと知っているからだ。
空は、私のベッドの横に椅子を置き、座る。
その時、私は気づいた。空の腕には包帯がまかれていた。