空色縞瑪瑙
「腕、どうしたの?」
「ちょっと、ぶつけちゃって。
痣になっちゃって。湿布はってるんだ。」
そう言った空は、苦笑いする。
私は直感で、その怪我の理由は嘘じゃないかと思った。
空がそんなヘマをするわけがない。
ちょっとぶつける、なんて場所もないはずだ。
運動部じゃないから転ばないし、何かにぶつかるなんてあるわけがない。
「へぇ。どこでぶつけたの?」
「舞台の大道具つくってたら・・・」
「そう・・・。」
嘘だな、って思ったけれど、何も言わなかった。
もし空になにかあれば、宙人が教えてくれるだろうし、空は、本当に自分でどうにかできなくなるまでは、弱音を吐く子ではないからだ。
私達は、たわいもない話をして、その日は別れた。