空色縞瑪瑙




「腕、どうしたの?」


「ちょっと、ぶつけちゃって。
痣になっちゃって。湿布はってるんだ。」



そう言った空は、苦笑いする。


私は直感で、その怪我の理由は嘘じゃないかと思った。


空がそんなヘマをするわけがない。


ちょっとぶつける、なんて場所もないはずだ。


運動部じゃないから転ばないし、何かにぶつかるなんてあるわけがない。



「へぇ。どこでぶつけたの?」


「舞台の大道具つくってたら・・・」


「そう・・・。」



嘘だな、って思ったけれど、何も言わなかった。


もし空になにかあれば、宙人が教えてくれるだろうし、空は、本当に自分でどうにかできなくなるまでは、弱音を吐く子ではないからだ。



私達は、たわいもない話をして、その日は別れた。




< 45 / 84 >

この作品をシェア

pagetop