空色縞瑪瑙
それからその日のしばらくしたあと、宙人が息をきらして病室へと入ってきたのだった。
「・・・ひなたっ・・・!」
「あ、宙人。もう少し早く来てれば空がいたのに。」
「やっぱり!」
宙人は眉間にシワをよせて私に言う。
「今日、早退していったから、どこに行ったのかと思って!
家には帰ってきてないっていうし、学校にはいないし、図書館にもいなくて、ずっと探してたんだ。」
宙人は、はぁ、はぁ、と呼吸を整えてから、私のベッドの横の椅子に座る。
「ねぇ、空が今日何か言ってなかった?」
「ううん、今日、学校で何かあったの?」
「それが、わからないんだ。」
「え?」
「でも、いつも警戒するような目で、空のクラスの人達は俺をみてる。」
「・・・たぶん宙人には隠したいのよ。空に何かあったら、絶対に私たちが助けることを知っているから。」