空色縞瑪瑙




そして、はぁ、と一息つくと言った。



「海が来ないの。だから、演劇部はぴりぴりしてる。
部活が部活にならなくて、困ってる。」


「・・・うん。」


「部員はいるよ。
でも、海は主演だもん。
オーディションできめたんだよ。
他の部員は主演をやりたい。
・・・でも海が来ないから、他の部員たちがなんであの子を主演にしたのかって、ずっと先生に訴えてる。」



空は、本当に仲間思いで、優しくて。


そんな空を私はずっと見守ってきた。



「大丈夫よ。海は来るよ。」


「・・・・うん。」







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