空色縞瑪瑙
「だから、二人はお互いの気持ちをわかっているのね。」
「そう。それにアスは大人だよ。弱音をはかない強い女の子だ。きっと、本当のことを言ってくれたのは俺だからだと思うんだ。」
アスのこと、俺なんかより霜月のほうが知ってるよ、きっと。
でも、アスは隠してるんだ。
霜月に自分の本当の気持ちだけは。
「それに、アスに言われたんだよね。」
「何を?」
『本当に宙人が空ちゃんから手を引くなら、アスね?』
『え?なにが?』
『アス、本当に宙人が好きかもよ。』
「って。」
「それはすごい。」
「だから、俺はアスと一緒にいることも俺の人生なんだ。」
俺は、そういって自分の部屋へと戻る。
そしてベッドへとダイブ。
空がこのまま霜月と一緒にいるなら、俺はずっとアスと 一緒にいたほうがいいのかも知れない。
その方が、空にとっても俺にとってもいいことかも知れないのに。
なのに
頑固な俺がいる。
そんなときだった。
携帯電話が鳴り出した。着信だ。
「もしもし、青柳です。」
『・・・・宙人』
電話の主は、アスだった。
「アス?どうしたの?」
『来て・・・ほしいの・・・』
アスの声は、嗚咽が混じり、はっきりと聞こえない。