空色縞瑪瑙
「どうしたんだい?落ち着いて話してごらん。」
『アス、一人でたえられない・・・』
「わかった。今からアスん家行く。何があったの?淋しいの?」
『違うの・・・・』
「うん・・・」
アスの声は段々と落ち着きを取り戻す。それでも、まだガラガラとした声だった。
そして、再び嗚咽混じりで俺に訴える。
『・・・・冬樹が・・・』
「うん、霜月と、何かあったの?」
『冬樹が・・・・、空ちゃんじゃない女の子・・・・家に連れ込んでた・・・・。』
「・・・・・え・・・・?」
『アス、もう無理だよ。たえらんない!!冬樹が女の子と一緒にいるの・・・!!』
どんなに大人ぶったって。どんなに人の気持ちを察することができたって。
自分の感情までをコントロールできたら、そんな人がいたら、その人は天才だ。
「今から行く。待ってて。」
俺は上着を羽織り、アスの住むマンションまで、自転車 を走らせた。