空色縞瑪瑙






***


そして今、俺は高校三年生。


アスは家の事情でアメリカへと旅立った。


しかし、今でも連絡はたまに取り合ったりするし、アスが向こうのお菓子とかを送りつけてきたりする。


まぁ、アメリカのお菓子も嫌いじゃないからいいのだが。



霜月は、今何をしているのかしらない。どっかの高校には通っているらしいが、どこだか知らない。



空は?空は何をしてる?


今日は七夕だ。



俺はわけもなく近所の祭へと出かけた。俺たちの住む地域は、七夕に合わせて夏祭りがある。


俺は、小さな頃に空と遊んだ公園へと足を運び、そして公園に小さな丘へ行った。


そこは、幼い頃からの隠れスポット。


ここから見る天の川は、とても綺麗だ。


しかし、そこには先客がいた。


体育座りをして、かき氷のカップを持っている。 きっと祭の出店のやつだ。




暗くてよくは見えなかった。


しかし、なんとなくだけど空な気がした。


この場所で天の川を見るのは、俺達しかいない。 意外と知られていない。と、ひなたと、空の毎年の定 位置だったから。








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