空色縞瑪瑙
偶然って、すごい。
「角館って聞いたときは驚いた。
あいつ、元気か?」
「最後に会ったときは元気だった。」
「最後に会ったのは?」
「さあ・・・?いつかな?」
私は、なんて酷い人間なのだろう。
どうして自分が世話を焼いて貰った人のことすらちゃんと覚えていないのだろう。
「角館は、他の奴とは違うぞ。ちゃんと繋がりを大切にしたほうがいい。・・・・俺は、別れてから知った。」
「別れてから?」
「俺、角館と中学ん時、付き合ってたんだぜ。」
霜月は、空を思い出しているようで、うっとりとしていた。
私は驚きの事実に目をぱちりとする。
「空がふった?」
「まさか。俺からだよ。けど、後悔してる。」
霜月はフッとため息をつく。
そして、空に対してだれもが抱く感情をさらりと口にした。
「あいつほど心が綺麗な人って、いんのかな?」
そう。
空の心は何時だって綺麗で。
人を大切にできて、優しくできて、強くて。
私は、空の優しさに甘えてしまった。
空が優しいから、許してくれると思った。
だから、私が裏切っても、笑って許してくれるって勝手に解釈して。
私は、空の傍にいるのをやめた。