恋愛キログラム
「返事が遅いねぇ…。おーい。りる??
どーすんのー?行くのー?」
ぼーっとしていたうちの目の前で、
手を上下に振りながら尋ねられた。
「え!?あ、行くよ!だって、
菜子との練習だもん!当たり前でしょ!」
二年生の春に初めて出た個人大会のとき、
地区大会で5位という成績をおさめ、
県大会へ出場した。
でも、県のレベルは、
地区とは比べものにならなかった。
悔しかった…。
自信をもって試合をしていた自分が、
バカだと思った…。
だから、次ある大会では、
また県まで行って、上を目指そう。
そう、菜子と約束したから。
だから、菜子との練習は何倍もがんばれた。
「よし!じゃあ、うちは羅実を誘うから、
りるはぐみちゃんよろしく!」
給食が始まる時間が近づいてきていたので、
菜子はそう言って自分のクラスに帰って行った。
「ぐみちゃん誘わないとっ!」
と言ってイスから立ち上がった……が、
デザートが大好きなプリンだったので、
余ったプリンのじゃんけんの方に走っていた。