二人ぼっち

自分の世界で考えを巡らせていた時、電話の着信に設定してある曲が流れ始めた。
音量を大きく設定していたせいで少し驚いたが、すぐに携帯を開いて通話ボタンを押した。
相手は、柚夏。

 耳に携帯を当ててすぐに、柚夏は高く大きい声で話し始めた。きっととても興奮しているに違いない…。

 『玲衣!!一緒にバイトしよう!!』 

 「え…?」

 『あのねー。高ノ木駅前にある、チェリーって名前の喫茶店だよ。…駄目?』

 「んー…。まあ良いよ」

 『わーい! 明日、私の家で履歴書書こうね』

 「うん、分かった。じゃあ、またねー。」

 柚夏が電話を切ったのを確認して、私も電話を切った。そして携帯を胸ポケットに入れる。
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