官能小説 ◇TABOO◇
面白くない……。
ここで帰るのもムカつくので、私は男の指示した場所に行ってみる。
郷土の歴史
誰も来ない
こんな古ぼけた棚
苦い顔で
同級生の彼の顔を思い出す。
つまんないデート
つまんない会話
つまんないキス
この場所もつまらない
バカらしい
帰ろうと足を踏み出すと
目の前に人影が現れ
ためらう間もなく
冷たい壁に背中を押し逃げ場を失う。
そして声も失う
その唇でふさがれて
その遠慮知らずの舌が
私の口内で暴れる。
身動き取れない状態
だけど
さっき見た男の長い指が
制服のスカートの下に流れ
足の付け根に円を書く
そこら辺の
男の子とは違う
乱暴で情熱的で
膝が崩れるようなキス。