お嬢様になりました。
第四話 図書室の彼
授業の内容が全く頭に入らない。


いつもならわけわかんないなりに、頭の中には一応入っていた。


そんな事になってるのは、隣で怠そうにしているバカのせい。


結局婚約者になるはめになってしまった。


まだ誰にも話してはないけど、フリとはいえ婚約者なんて……やっぱありえない。


スカートのポケットに入れている携帯が震えた。


携帯を取り出し画面を見るとメールが届いていた。



“ジロジロ見てんじゃねぇよ”



それは隣のバカからのメールで、思わず携帯をぶん投げそうになった。


あの後連絡先まで交換する羽目になり、拒む間もなく連絡先を知られてしまった。


授業終了の鐘がなった。


ッッ!?


突然腕を掴み上げられ横を見ると、海堂が直ぐ隣に立っていた。



「な、何!?」

「行くぞ」

「は!? 行くって何処に!?」

「バカか、カフェに決まってんだろ」

「何であんたとお昼一緒に食べなきゃいけないのよっ!!」



無視かいっ!!


何でせっかくのお昼をこいつと過ごさなきゃいけないわけ!?


必死な抵抗も虚しく、私は引きずられるように教室から連れ出されてしまった。





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