お嬢様になりました。
「観覧車乗ろう」

「え? 観覧車?」



不思議そうな顔をする葵に笑って見せた。


まさか自分からそんな事を言う日がやってくるとは、思ってもいなかった。


葵と居ると調子が狂う。



「観覧車嫌い?」

「嫌いじゃないけど……意外……」

「意外?」

「玲ってそういうの嫌いそうだから。 特に女の子とは絶対乗らないイメージ」

「それは葵の勝手なイメージだろ」



観覧車は嫌いじゃない。


ただ興味がないだけ。


でも女と乗るのは嫌っていうところは合ってる。


それなのに葵とは乗りたいと思ったんだ。


二人で手を繋いだまま観覧車に乗り込んだ。


観覧車に乗ったのなんていつぶりだろう。



「ヤバイっ!! 観覧車ってテンション上がるっ!!」

「ははっ、まるで子供だな」



葵は俺の顔を見ると、柔らかく微笑んだ。


俺の為にわざとはしゃいでくれてるのかもしれない。



「葵、もう一人で抱え込まなくていい」

「え……? わッッ」



俺は葵の腕を掴み引き寄せた。


観覧車は大きく揺れ、葵は覆いかぶさる様に俺の膝の上に座った。


顔を真っ赤にして離れ様とした葵の腰を抱いた。





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