お嬢様になりました。
第七話 濃い集団
見慣れたお昼のカフェでの風景。


隆輝の取り巻き集団にも慣れた。


でも最近のお昼の時間は落ち着かない。



「明日から夏休みね。 隆輝さんはどちらかご旅行に行かれるの?」



何故か凄く中途半端な夏休み目前という時期に、転校して来た橘さん。


いつの間にかお昼を一緒に食べる様になった。


橘さんだけじゃない。


いつもは芽衣と二人でとっていたランチが、気付けば隆輝と玲も加わり、今は五人で食べている。



「お前には関係ない」

「一緒にフランスに行きましょうよ。 隆輝さんだったら喜んで案内するわっ」



隆輝は誰に対しても冷たい態度だけど、特に橘さんには冷たい。


見てるこっちがヒヤヒヤするくらい。


でもそんな隆輝の態度に怯まず、グイグイ話しかける橘さんは本当に凄いと思う。



「葵さんは何処かご旅行に行かれますの?」

「んー……わかんないけど、行かないんじゃないかな。 お祖父ちゃん忙しそうだし。 芽衣は?」

「私はイタリアに行って参りますわ。 親戚がおりますの」



イタリアに親戚かぁー。


芽衣だけじゃなくて、芽衣の周りにいる人たちも華やか。


流石はお嬢様。





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