お嬢様になりました。
いろんな人からジロジロ見られながら、私は二年の教室のフロアへ向かった。


たしか三階だった気がするんだけど……。


もっとちゃんと調べてくれば良かった。


三階に着き、ドアにぶら下がっているプレートを見てホッとした。


良かった。


三階で間違ってなかった。


問題はこれからなんだよね。


山口君が何組かわかんない。


誰かに聞けば直ぐ分かりそうだけど、なんか聞き辛いしな……。


クラスはたくさんあるけど、そんなに時間かかんないだろうし、自力で探そう。


気合をいれ、私は足を進めた。


教室のドアからこっそり中を覗いては、キョロキョロと顔をうごかした。


んー……ここにも居ない。


今の私、完璧変な人だよね。


ドアの前で脚を止め、溜息が漏れた。


このクラスで最後だ。


いなかったらどうしよう。


その時は調べて出直そう。



「本当にその顔どうしたの?」

「ちょっと階段から落ちちゃったって言った……」

「正直にいいなさいよー!! 階段から落ちた怪我には見えないから!!」



ドアに手を掛け開け様とした時、教室の中からそんな会話が聞こえてきた。


今の……山口君だよね?





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