お嬢様になりました。
安心させる様な笑みを浮かべた山口君が、直ぐそばまで歩み寄ってきた。
私より少し背が高い山口君。
華奢とまではいかないが、逞しいとも言えない体。
それでも心や眼差しは男らしさを感じさせる人。
「こんな所に来て大丈夫なんですか?」
「え?」
「海堂君、また心配されるんじゃないですか?」
「昨日も隆輝は別に心配してたわけじゃなくて、私の態度が気に入らなかったから、山口君に八つ当たりしたんだと思う……本当にごめんね」
隆輝が何であそこまで怒ってたのか、未だによく分からない。
あいつからは何の連絡もないし、直接話そうにしても、今日学校にきてないから。
「婚約者が自分の知らない男と二人きりで居るなんて、普通に考えたらきっと嫌ですよね。 僕の方こそ配慮が足りなくてすみませんでした」
婚約者って……山口君も知ってたんだ。
「婚約者だとかそんなの関係ない。 山口君は何も悪くないよ。 悪いのは私だから……」
そう、悪いのは隆輝を止められなかった私。
「聡の怪我の原因は貴女なの?」
今にも飛びかかってきそうなほど、鋭く睨み付けてくる女の子。
私は少し戸惑いながらも頷いた。
「私の所為だよ……」
私がそう言うと、女の子は目を釣り上げ手を振り上げた。
「明菜(アキナ)ッッ!!」
目を瞑ると同時に山口君の叫ぶ様な声が聞こえた。
打たれてもしょうがない事したんだもん……そう自分に言い聞かせ、私はギュッと目を瞑った。
私より少し背が高い山口君。
華奢とまではいかないが、逞しいとも言えない体。
それでも心や眼差しは男らしさを感じさせる人。
「こんな所に来て大丈夫なんですか?」
「え?」
「海堂君、また心配されるんじゃないですか?」
「昨日も隆輝は別に心配してたわけじゃなくて、私の態度が気に入らなかったから、山口君に八つ当たりしたんだと思う……本当にごめんね」
隆輝が何であそこまで怒ってたのか、未だによく分からない。
あいつからは何の連絡もないし、直接話そうにしても、今日学校にきてないから。
「婚約者が自分の知らない男と二人きりで居るなんて、普通に考えたらきっと嫌ですよね。 僕の方こそ配慮が足りなくてすみませんでした」
婚約者って……山口君も知ってたんだ。
「婚約者だとかそんなの関係ない。 山口君は何も悪くないよ。 悪いのは私だから……」
そう、悪いのは隆輝を止められなかった私。
「聡の怪我の原因は貴女なの?」
今にも飛びかかってきそうなほど、鋭く睨み付けてくる女の子。
私は少し戸惑いながらも頷いた。
「私の所為だよ……」
私がそう言うと、女の子は目を釣り上げ手を振り上げた。
「明菜(アキナ)ッッ!!」
目を瞑ると同時に山口君の叫ぶ様な声が聞こえた。
打たれてもしょうがない事したんだもん……そう自分に言い聞かせ、私はギュッと目を瞑った。