お嬢様になりました。
カフェに隣接しているお庭のテーブルにトレーを置き、私たちは腰掛けた。


ここのカフェは一般的なカフェの料金設定になっていて、ホッとした。


どうやらこの学園の創設者は、ちゃんと一般的な感覚を持ち合わせていたらしい。



「隆輝ってハンバーガーなんて食べるんだね」

「初めて食べる」

「初めて!?」

「こんなもん普段食べねぇよ」



こんなもん!?


ハンバーガー美味しいじゃん!!


全国のハンバーガーショップに謝れ!!



「気が利かねぇ奴だな」

「はい?」

「ナイフとフォークがねぇじゃねぇかよ」



こいつ、ハンバーガーに喧嘩売ってんのか!!



「ハンバーガーっていうのはね、ナイフとフォークなんか使わずに、手で持ってガブっとかぶり付くの!!」

「は? 冗談だろ?」



隆輝の言葉を無視してハンバーガーにかぶり付くと、隆輝は信じられないとでも言いたそうな顔で固まった。


この食べ方が一番美味しいじゃん。


ナイフとフォークなんか使ったんじゃ、食べた気にならないよ。





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