お嬢様になりました。
「早く食べないと昼休み終わっちゃうよー」

「…………」



渋い顔でハンバーガーを見つめていた隆輝が、渋々といった感じでハンバーガーにかぶり付いた。



「ぷっ」

「何笑ってんだよ」

「べっつにぃー」



確かにハンバーガーと隆輝の組み合わせって、変な感じ。


でも少し距離が近付いた気がして、私は嬉しかった。



「美味しい？」

「不味くはない」



そんな緩みきった顔して、よくもまぁそんな事言えるな。


美味しいなら美味しいって素直に言えばいいのに。


何処までも素直じゃない奴。



「たまにはいいでしょ？ こういうのもさっ」

「……あぁ、そうだな」



また言い返されると思ってたから、隆輝の反応に拍子抜けしてしまった。


しかもなんでそんなに優しい顔で笑ってんの？


ヤダ……心臓がバクバクしてきた。


初めて見る隆輝の優しい顔に動揺してるの？



「何ボーッとしてんだよ」

「え！？ あ、ご、ごめん」

「ごめんって……変な奴」

「あはは……」



ダメだ。


テンパってる。


なんでテンパってんの？


自分でもよく分からないテンパりを隆輝に悟られない様に、私は残りのハンバーガーを急いで食べた。


途中何度も喉に詰まらせそうになりながら。





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