お嬢様になりました。
第一話 人生の分岐点
ヤバイ……。
眠たい。
先生の難しい話も今は子守唄のように聞こえる。
ふあぁぁぁー……。
「大石(オオイシ)っ!!」
な、何!?
先生の突然の大きな声に一気に目が覚めた。
「百歩譲って欠伸は許そう。 だがな、仮にも女なんだからせめてその大きな口は隠せ」
先生の言葉に教室内がドッと笑いに包まれた。
仮にも女って……正真正銘、女だから!!
その上大きな口なんて酷すぎるっ!!
「大石、分かったかぁー?」
しつこい。
「分かった分かった」
「分かりましただろう?」
「はいはい、分かりましたよー」
先生は呆れた顔をすると、直ぐに教科書に目線を落とした。
私の家の事情を知ってる先生たちは私が授業中眠っていても、極力怒ったりしない。
まぁ有難いんだけど、なんか嫌な感じ。
とりあえずノートだけは真面目に書き写した。
授業はあっという間に終わり、昼休みの時間がやって来た。