お嬢様になりました。
着替えを済まし部屋を出ると、目の前に荒木さんが立っていて心臓が飛び跳ねた。


なんて心臓に悪い……。



「お食事の準備が出来ておりますので、お部屋までご案内致します」

「お、お願いします」



ニコリともせず歩き出した荒木さん。


荒木さんの背中を眺めながら私は黙って足を進めた。


背も高いしガッチリしてるし、その上表情がかわんないから荒木さんって迫力がある。


話し方も平坦だし……よくわかんない人。



「こちらでございます」

「ありがとうございます」



ドアを開けた荒木さんに、部屋に入るよう促された。


部屋に入り、目に飛び込んできた光景に固まってしまった。


天井にはキラキラ輝くシャンデリア。


テーブルはあり得ないほど長くて、椅子には繊細でお洒落な装飾が施されていた。


ここ、どこ!?



「おはよう、昨日はよく眠れたかのう?」



お祖父ちゃん、いたんだ。


部屋が凄さに気をとられ過ぎて全然気が付かなかった。



「おはよう。 うん、ベッドがフカフカでグッスリ眠れたよ」

「そうか、そうか。 それは良かった」



私はお祖父ちゃんの目の前に腰掛けた。





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