お嬢様になりました。
うわー……。


テーブルの上に並べられた朝食を眺めた。


お味噌汁に雑穀米、お魚、お漬物……。


この西洋の創りになってる部屋に見事にミスマッチ。



「和食は嫌いか?」

「ううん、好きだよ。 頂きます」



お箸を手に取り、私は最初にお味噌汁を口にした。


なにこれ。


美味しいんだけど……。


出汁が違うのかな?


めちゃくちゃ上品な味。



「制服、よく似あっておる」

「本当!? 良かったぁー。 私が着たらおかしな事になるんじゃないかって、ちょっと不安だったんだよね」

「綺麗な顔をしておるんじゃから、葵は何を着ても似合うじゃろう」



サラッとそんな事言わないで欲しい。


孫馬鹿と言うか、なんて言うか、兎に角恥ずかしい。


誤魔化す様にお味噌汁を啜っていると、ふとお祖父ちゃんが小さな封筒を差し出した。



「何これ」

「昼食の時に使いなさい」

「あ、うん」



名刺くらいの大きさの白い封筒を受け取った。


何だろうこれ。


平で硬い感触がする。



「それは葵が持っていなさい。 必要な時に使うとよい」

「うん、分かった。 ありがとう」





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