お嬢様になりました。
駅まで送ってくれるのかな?



「分かりました」



私は走って自分の部屋に向かった。


こんな広い家の中を歩きてたら時間かかっちゃう。


部屋のドアを開けると、まだ見慣れない光景が広がった。


私が天蓋付きのベッドなんて、ギャグとしか思えない。


こういうベッドは華の方が似合いそう。


竜樹が見たらお腹を抱えて笑い転げるんだろうな。



「お婆ちゃん、お父さん、お母さん、いってきますっ!!」



私は写真に向かって手を合わせ、そして一回転して見せた。


清楚な白のスカートがひらりと舞い、胸がワクワクした。


この制服なら髪の毛暗く染めれば良かったかな?


胸下まである髪の毛は、ハニーブラウンに染まっていて、光に当たると余計明るく見える。


今度染めればいっか。


部屋を出ようとした時、ある事に気が付いた。



「そういえば鞄は?」



学校行くんだから鞄いるよね?


部屋中くまなく探すが学生鞄は何処にも見当たらなかった。


あれ?


荒木さんに聞いてみよう。


見つけられなかった為、いったん部屋を出て玄関に向かう事にした。





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