お嬢様になりました。
第三話 御曹司の苦悩
鳳学園に転校してきて一週間が過ぎた。
隣の馬鹿とはカフェ以来、特に関わっていない。
でも近頃ご機嫌斜めな様で、隣に居るだけでこっちまでイライラする。
気にしないのが一番だ。
自分にそう言い聞かせて居ない者と考えて生活をする様にしている。
「芽衣」
「何ですの?」
前の席の芽衣の肩をツンツンとつつくと、芽衣がフワッと振り向いた。
ちょっとした動きが相変わらず優雅。
「気になってたんだけど、私の隣って誰もいないの?」
海堂が居る方ではなく、反対側の空席を指差した。
転校してきてから一度も、左隣の席は誰も座っていない。
もし誰もいないなら私がこの席を使いたい。
窓側だし、何より海堂と少しでも距離をあけられる。
「そちらは東條(トウジョウ)さんのお席ですわ」
「東條さん? 何で学校に来ないの?」
「私も詳しくは存知ませんが、恐らくお仕事がお忙しいんだと思いますわ」
仕事?
同じ高校なのに仕事?
バイトって事かな?
「バイトで学校来ないなんて、問題ないの?」
「アルバイトではありませんわ。 ちゃんと理事長の許可をお取りになってお仕事をなさっているので、お仕事でお休みの時は欠席にはならないようになってますの」
なんて贅沢な待遇なの……。
隣の馬鹿とはカフェ以来、特に関わっていない。
でも近頃ご機嫌斜めな様で、隣に居るだけでこっちまでイライラする。
気にしないのが一番だ。
自分にそう言い聞かせて居ない者と考えて生活をする様にしている。
「芽衣」
「何ですの?」
前の席の芽衣の肩をツンツンとつつくと、芽衣がフワッと振り向いた。
ちょっとした動きが相変わらず優雅。
「気になってたんだけど、私の隣って誰もいないの?」
海堂が居る方ではなく、反対側の空席を指差した。
転校してきてから一度も、左隣の席は誰も座っていない。
もし誰もいないなら私がこの席を使いたい。
窓側だし、何より海堂と少しでも距離をあけられる。
「そちらは東條(トウジョウ)さんのお席ですわ」
「東條さん? 何で学校に来ないの?」
「私も詳しくは存知ませんが、恐らくお仕事がお忙しいんだと思いますわ」
仕事?
同じ高校なのに仕事?
バイトって事かな?
「バイトで学校来ないなんて、問題ないの?」
「アルバイトではありませんわ。 ちゃんと理事長の許可をお取りになってお仕事をなさっているので、お仕事でお休みの時は欠席にはならないようになってますの」
なんて贅沢な待遇なの……。