しいと星屑
私と本と彼
放課後、もうそろそろ下校時刻
私は教室に、本を置いてきてしまった
家で読みたいと思っていたから、
置いていくわけにはいかない
あの恋愛小説は、
私の机の中にしまってあるはず
階段を駆け上って、
私は息を切らしながら教室に入った
すると、私の席に誰かが座っていた
見覚えのある顔だった
寂しげで、
でも綺麗で透き通った様な表情
歯磨きの時に廊下で見かけた男子だった
なぜ私の席にいるのだろう
…!?
よく見ると、彼が手にしていたのは
私の恋愛小説だった