しいと星屑
帰りの電車の中で、私は本を開いた
すると、とあるページに栞が挟まっていた
星の形をした、
プラスチック製の銀色の栞
きっとさっきの子が挟んだのだろう
なんだか抜いてはいけない気がして、
私はそれを挟んだままページを見た
それは、星空のシーンだった
後に亡くなる事になる彼との、
最後のお出掛け
その舞台が、この星空の下
周りに何もないところだからこそ、
星空は綺麗だったのだろう
これは、私のお気に入りのシーン
もしかしてあの子も、
このシーンを気に入ったのかもしれない
なんだかますます、彼に会いたくなった
話してみたくなった