しいと星屑
私と彼と通学路
結局、その日は彼には会えなかった
雪乃ちゃんに聞く勇気も無いし、
自分で彼を見つける勇気も無い
だって…
会って、なんて言えばいいの?
「この間私の席で何してたの?」
「栞が挟まってたシーン、良いよね」
「あの栞、あなたの物だよね?」
悩んでしまう
"言葉"って、
なんでこんなに難しいのだろう
私は登校中の電車の中で、
頭を悩ませてばかりいた
ガタン、ゴトン…
ガタン、ゴトン…
軽快なリズムを刻む電車は、
私の気持ちを焦らす
もし今日彼に会ったら、
なんて言うべきなの!
私の脳内は完全に渦巻き状態だった
"別に、何も言わなくていいじゃん"
そんな声が、脳内で再生された
まるで、神様のお告げ?
いや、でもここで何か言わないと
一生後悔しそうなんだ。