しいと星屑
私は、彼の1つ空けた左隣に座った
さすがに空けないのは馴れ馴れしいよね
「僕さ、」
……!?
新見君から話すなんて、珍しい…
貴重だな…
「長く呼ばれるの得意じゃない」
私には、"呼ばれるのが得意じゃない"
という意味を理解出来なかった
"長く呼ばれる"もイマイチ分からない
理解力不足でごめんなさい、新見くん
「あ…えっと、なんて呼べばいいかな」
私は、恐る恐る聞いてみた
鼓動のリズムを整える
「何でも。短ければ」
何でもって言われるのが
一番困るんです、私…
「…じゃあ、朔くんにする」
「長い」
…即答ですか。
「"くん"いらない」
えええ……!?
私は思わず、耳を疑ってしまった
それってさ、つまりは、あれだよね
"呼び捨て"。
そんなのしたことないし、
すごく呼びづらいじゃない
つい遠慮してしまいたくなる
"くん"じゃなくて"さん"って呼んでも
いいくらいだっていうのに。
「……朔」