しいと星屑



私達は電車の中で、色々な事を話した

先生の事、クラスの事、授業の事…

それと、彼の栞も先生に没収された事を
話して謝ると彼は、

「別にいいよ」

と言って微笑んだ


彼は無口だし反応が薄かったりするけど
なぜか話しやすかったりもする


すごく聞くのが上手なのかもしれない

私が話をしている間彼は、
頷いたり微笑んだりしかしない

けれど私は、それだけでも良いと感じる


それに彼の話も、すごく面白い。


彼は宇宙とか星とかが大好きで
将来はそれに関わる仕事がしたいらしい

夢のある話で、聞いているこっちも
ワクワクどきどきしていた



そして彼は言った


「いつか宇宙へ旅したい」



彼の目は、いつになく真剣で真っ直ぐだ

私の胸の鼓動は勢いを増すばかり


「きっと叶うよ」


私は彼の目を見て言った

もちろんこれは本心だ


「うん」


彼はしっかりと頷いた




この時私は思った





ー私、この人が好きなのかもしれない





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