゜。秘密の極道彼氏 。°
二泊三日の旅行の二日目。
ある人通りの多い昼下がり。
私は左手を、右手で碧を抱っこした父親と。
右手を母親と、つないで歩いていた。
らしい。
この話は誰に聞いたのか、私は覚えていない。
ただその様子だけ、伝わっているんだ。
通りすがりの人のいい、物覚えのいい人が見ていたのか。
たまたま防犯カメラに映っていたのか。
わからないけどすごく仲良さげに歩いていたそうだ。
けど、すぐにその笑顔は悲痛な顔へと変わる。
午後2時過ぎのことである――――。