゜。秘密の極道彼氏 。°
「大型トラックを運転していた人は、急な脳出血を起こしていたみたい。碧は見事な隙間にちょうどはまって助かり、私はお母さんが投げ飛ばしてくれたおかげで助かった。奇跡だよね」
私は大体のことを話し終えた。
もう随分昔のことだし、私もよく覚えてないから涙を交えたりはしない。
「……そのあと、どうなったんだ?」
ササは真剣に聞いてくれている。
「そのあと?あぁ、一応叔父さんの家に引き取られた。まぁ、なーんもしてくれなかったけどね。もともと私らのこと嫌ってたし。最低限必要なものをくれたぐらいかなぁ。中学入ったらもうここに追い出されたよ。私たちも出たかったからちょうどよかったけど」
ホントに、最低限。
世間に怪しまれないくらい。
授業参観とか、親が必要なことはでてもらった。
あの人ら、以上に演技が上手いしね。
「で」
「で?」
「いい加減私の上からどけぇ!」