゜。秘密の極道彼氏 。°
「…ササ。この2年で…何があった…?」
「何にも。直唯に言わなきゃいけないことなんてなーんにもないよ」
口調こそ惚けているけど、顔は、目は真っ直ぐ直唯を睨んでいる。
「ササ…!」
直唯がそれでも必死に聞き出そうとしてる。
「だから、直唯に話すようなことは何もない。どうせ奥さんに逃げられたから一人で遊園地になんていたんでしょ。早く奥さん説得してきたほうがいいと思う。よ?」
あ、奥さんに逃げられたんだ…。
なんかこの人が可哀想になってくる。
「…ササ…俺はお前が…」
「…憎いというのなら…どうかこれ以上僕ことを気にしないでくれ」
ササが未だ座り込んだままの直唯に、しゃがんで視線を合わせ耳元で何かを言った。
私にはその言葉は聞こえなかった。
「…ずっと世話してくれたことには感謝してるよ…」
そう言うとササは私の手を強く握って、部屋を出た。