゜。秘密の極道彼氏 。°
「遥ちゃん、送ってくわ」
と、俺は遥ちゃんの手を引いて部屋を出た。
部屋を出てすぐに、親父がいた。
「おぉ、朱雀。なんだぁ、直唯が来てんだってな」
もう酔っているのかほんのりと頬が赤い。
わが親父ながらだらしがない……。
「あぁ、ササがキレて部屋出てちまったよ」
「そうかい……あいつぁ、きっと何かしでかすだろぁな」
そう言って酔って潤んだ目を遠くに向けた。
「何か……しでかす…」
口に出して復唱してみたものの、その意味が俺にはよく分からなかった。
「はぁ~れぇや~ぁあそぉ~ぉらあぁ~♪」
と意味の分からない歌を歌いながら廊下を歩いて行った。
不思議気にその背中を見つめる俺と遥ちゃん。
けど、遥ちゃんがすぐに俺の手を握り締めた。
「……行くか」
ちょっとした不安に駆られながらも、俺は遥ちゃんと家をでた。