゜。秘密の極道彼氏 。°




第2資料室は資料室とは違って、『使われない資料』が置かれる場所。


がら。ばん。



中に入ると使われていない、ほこり臭い匂いが鼻をついた。


「ササ、さっさと棚に資料置いて帰ろ…ササ?」


いきなり、ササが抱きしめてきた。

それもすごいきつく。


ササが落としたと思われる資料が床に散らばった。


「どうしたの?」


「……來華の…心が揺らいだんじゃないかと思って…すごい不安になった」


…ササの声が震えてる。

声がだんだん小さくなるにつれて、腕の力は比例するように強くなる。


「須中が…來華に抱きついてるのを見て…すごいイラついて……。
不安になって……。怖かった……」


後ろから抱きつかれてるから表情は良く分からないけど……、
声も、手も震えてる。


私は回された手を握り締めた。



「ササのばーか。私は絶対ササ一筋だし。絶対…他の奴なんて目に映らないんだから。『鼻たれ眼鏡』の真央なんて特に!!…ねっ?」



そうだそうだ!!真央はただの友達だしね!!

出来れば…ササとは一生一緒にいたいし!!









< 239 / 307 >

この作品をシェア

pagetop